統合失調症について
～「銀河界の悪夢」～
このタイトルはSEKAI NO OWARIの曲の名前です。ボーカルの深瀬さんが精神病棟に入院していた経験や苦しみをもとに作られた楽曲だといわれています。
深瀬さんはＡＤ/ＨＤであると告白されていますが、もうひとつ精神障害をお持ちであり、それが今回ご紹介する「統合失調症」です。
ここ数十年で今まで知られていなかった、精神障害という言葉が知られてきました。
その中でも統合失調症は比較的患者数が多いのが特徴です。
統合失調症とは？
統合失調症は考えや気持ちがまとまらなくなる精神疾患で、その原因は不明です。
しかし脳機能に原因があり、先天性である可能性が高いといわれております。
神経伝達物質のドーパミンとアドレナリンのバランスが崩れる事が関係していると言われております。
統合失調症の症状
統合失調症には陽性症状と陰性症状がございます。
最初に陽性症状についてご紹介します。
陽性症状について
主な症状は「妄想」と「幻聴」です
妄想でもっとも知られているのは被害妄想です。
いくつか統合失調症の妄想症状の例をご紹介します。
・テレビやネットの批判的なニュースをみて、すべて自分の悪口を言っている「被害妄想」。
・町の中を歩いていると誰かに見られているような感覚に陥る思考「注察妄想（ちゅうさつもうそう）」。
・頭の中を他人に監視されていると思い込む癖「被注察感（ひちゅうさつかん）」。
他にも貧困妄想、嫉妬妄想、宗教妄想、恋愛妄想などの症状ございます。
つぎに幻聴の説明をします。
幻聴にもいくつか症状がございます。
・亡くなった親戚、家族が自分に話しかける声が頻繁に聞こえるといった幻聴。
・「おまえには無理、どうせできない」といった本人を批判する幻聴。
・神の声が聞こえるといった幻聴。
そしてこれらの幻聴に対し、対話する形でぶつぶつ話す症状もございます。
これらの結果、他者には理解されず社会的に孤立する事態を招きます。
陽性症状は他人にわかりやすく出ることがほとんどです。
しかし次にお話します、陰性症状は表に見えにくいのが特徴です。
陰性症状について
次に陰性症状をついて紹介します。
主な症状は無気力です。
・喜怒哀楽がないようにみえる。
・意欲がないようにみえる。
・身だしなみに気を使わない。
・人と関わろうとしない。
・興味関心が薄れる。
うつ症状と比較される場合がありますが、意欲が持てないという点では共通します。
しかし、陰性症状の場合は心の動きが平坦になり、ものごとに無関心になりがちです。
外に出ること、お風呂に入ること、座っていることでさえがおっくうになりがちになり、一日中家に引きこもりがちになります。
思考力が低下してコミュニケーションが取りにくくなります。
しかし、統合失調症にも治療法はございます。
統合失調症の治療法についてお話します。
統合失調症になったらどうするの？
統合失調症の治療はリハビリ療法と薬物療法と周囲のサポートです。
リハビリ療法
リハビリには３種類がございます。
- 作業療法
作業療法士と一緒に、手芸や園芸、料理、パソコンのような軽作業を通して、達成感や自己肯定感を高めて社会復帰に必要なメンタルやスキルを高めます。
- ソーシャルスキルトレーニング（SST）
統合失調症により低下した社会スキルや生活スキルを回復するために行われる、ロールプレイ式のトレーニングです。
医療スタッフと患者が、会社や日常生活を想定しながら、自分の苦手なことを克服していく療法です。
- 認知機能へのアプローチ
統合失調症により低下した、記憶力の認知機能を回復する訓練です。
パソコンの専用ソフトを使った治療です。
リハビリと併用して薬物療法を行います。
薬物療法
統合失調患者に有効なのは、抗精神病薬です。
原則生涯にわたり一生飲み続ける必要があります。
主な効果が５つあります。
- 興奮を抑えられる。
- 考えをまとめられる
- 幻覚や妄想を抑える
- 無気力状態から回復させる
- 強い症状の再発を予防する
錠剤タイプ、粉薬タイプ、また注射タイプがあり治療方法の選択が可能です。
リハビリ療法、薬物療法を紹介しましたが、患者本人だけでなく周りのサポートも重要になってきます。
周囲のサポート
ご家族や友人や恋人が統合失調症患者と接する場合配慮が必要です。
コミュニケーションをとる際否定表現でなく、肯定的な声掛けが重要になってきます。
そして患者の「味方であるというメッセージ」を周囲が持ち続けることが大切です。
しかしコミュニケーションがうまくいかない場合もございます。
ファミリータイズでは統合失調症の方へのサポートを行っており、社会で活躍できるようにお手伝い致します。
本人様も身内の方もひとりで悩まず、相談のご連絡お待ちしております。